エピグラフとかエビピラフ 11/画家本人

つまり、「根源的なもの」を描かなければならないという、抽象表現主義の画家たちに共有された命題が要請するのは、いわば表象不可能なものの表象可能性の探求である。その意味で抽象表現主義の画家たちは、具象的・再現的なイメージを否定すること以上に、純粋な抽象という観念に反対した。あるいは、そこでは具象/抽象という様式の対立そのものが偽の問題として斥けられなければならなかった。(沢山遼)

絵画とは自己の発見である。すべての優れた画家は彼自身を描く(ジャクソン・ポロック)


意識的であろうとなかろうと、言語化しようとしまいと、色や形やタッチやマチエールには、画家本人が表象される。主題も問題意識もその画家の限界さえも。
引用はどちらも『現代アート10講』(武蔵野美術大学出版局)第3講「抽象表現主義と絵画、あるいは絵画以上のもの─ポロック、ニューマン、ロスコ」より。

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